石岡瑛子展 東京アートディレクターズクラブ 会員賞によせて

石岡瑛子展
東京アートディレクターズクラブ
会員賞によせて

2021年9月3日のADC最終審査で
石岡瑛子展関連でADC会員賞をいただくことになった。
以下はADC展の展示でのコメントである。

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2020年晩秋から2021年早春まで石岡瑛子の
展示がギンザ グラフィック ギャラリー(ggg)
と東京都現代美術館(MOT)でほぼ同時期にそれぞれの
視点を持って開催された。
基本的な構想から約5年。
想像もしていなかった新型コロナの影響の中、
開催されたのは奇跡と言っても過言はないだろう。

石岡瑛子がマントラのように唱える言葉がある。
“Timeless” “Originality” “Revolutionary”である。

今回のクリエイティブは常にこの三つの言葉を
念頭におきながらも答えのない作業を繰り返した。
加えてクリエイティブディレクターの石岡怜子は
“EIKOの熱量“を常に唱えた。

gggのためのVIは展示の骨子であるEIKOの肉声と
言葉に対峙できるものであることが必須である。
小手先のデザインでは軽く弾かれてしまう。
そこで赤の色と文字だけでやるしかないと腹を括ったのが今回の表現に至った。



(中々強いVIができたので大胆にギャラリーのガラス面を覆ってみることにした。)

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一方、EIKO BOXは、このタイミングでなければたぶん
永遠に形にならないであろうメモリアルへの挑戦である。
数は限定的ではあるがEIKOの熱が丁寧に小さな筐に綴じ込められる
ように、片や最新の印刷手法、片や伝統的な職人の手技によって
実現した。






(黒い表紙の本は図録を装丁し直してもらったもの。
いわゆる Relieur(ルリユール)で3本のラインが象嵌されていて精度が凄い。さすが大平立子の手技だ。)

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