Essay

自然光の力 ?

人を撮る時も、物を撮る時も、まず、自然光で考える。カメラマンに仕事を頼む時には、十中八九「自然光で」と言ってるのではないかと思う。大げさかもしれないが、太陽に、神の力のようなものを感じている。朝になったら、陽が登り、夕方になれば、陽が沈む、その時間で何とかしなさいと言われているような気がするし、晴れなくても、雲や雨を使って、様々なライティングをしてくれる。

例えば、C.C.Blackだが、たしか3日半、砧公園に通ってやっと撮れた写真。合成は一切なしで、瓶の肩に森を映り込ませ、バックの黒とラベルの黒が溶け込まないギリギリの照度を待ったら、時間がかかった。しかし、現像された8×10のポジは素晴らしい空気を孕んでいた。

山崎も自然光で、京都の山崎蒸留所の中庭に漆喰の大きなホリゾントを持ち運んで撮った。雪がちらつく2月の寒い頃だったが、光の強さで季節感はない。また、このボトルの肩にも微かに山崎蒸留所を映り込ませているが、こんなディテールもロケならではの楽しみである。

自然光と8×10の組み合わせは、とても緊張感がある。待って待って、ここぞという時にシャッターを切る、まるでデカイ獲物を狙うハンターの気分である。